PHP(ピー・エイチ・ピー)は、Webサイトの裏側=サーバーで動いて、ページを作って送り出すプログラミング言語です。ブログで使われるWordPressもPHPで作られていて、サーバー側の言語が分かるサイトのうち約7割がPHPを使っています。

2026年10月の「PHPの脆弱性で緊急メンテ」のニュースで初めて名前を聞いた人も多いと思います。スマホやパソコンを使うだけの人がPHPを入れたり更新したりする必要はありません。サイトを持っている人は、PHPのバージョンがサポート期間内かを確かめるのが大事です。

この記事では、「PHPとは何か」から、最新のバージョンとサポート期限、自分のサイトのバージョンの確かめ方と上げ方まで、公式の情報をもとにまとめました。情報は2026年10月23日時点です。

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要点

  • PHPは、サーバーで動いてWebページを作る言語。読み方は「ピー・エイチ・ピー」
  • ニュースのPHPは、フィリピンの通貨(PHP)や出版社のPHP研究所とは別物
  • サーバー側の言語が分かるサイトの69.3%がPHP。WordPressは全サイトの39.6%
  • 最新のバージョンは8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35(2026年10月21日)
  • 8.2のサポートは2026年12月31日で終わる。8.1以前はすでに終了
  • WordPressの推奨は「PHP 8.3以上」
  • バージョンは、WordPressの「サイトヘルス」かサーバーの管理画面で確かめられる

PHPとは?Webページをサーバーで作る言語

PHPは、サーバーの上で動いて、見る人に送るWebページ(HTML)を作るための言語です。PHPの公式マニュアルは、PHPを「広く使われているオープンソースの汎用スクリプト言語」で、「特にWeb開発に適して」いると説明しています。

たとえばブログの記事ページは、ファイルとして1枚ずつ置いてあるわけではありません。見に来た人がいると、サーバーの上でPHPが動き、データベースから記事を取り出して、その場でページを組み立てて送ります。

名前の意味と読み方

PHPは「PHP: Hypertext Preprocessor」の略で、読み方は「ピー・エイチ・ピー」です。略した語の中に自分の名前(PHP)が入っている、少し変わった名前です。

1994年に生まれた、30年以上続く言語

PHPは、1994年にRasmus Lerdorf(ラスマス・ラードフ)さんが作ったのが始まりです。公式マニュアルの歴史のページによると、最初はネットに公開していた自分の経歴書のアクセス履歴を調べるための道具で、「Personal Home Page Tools」と名付けられていました。

いまの「PHP: Hypertext Preprocessor」は、その後に付け直された名前です。

ニュースの「PHP」は、円の話やPHP研究所とは別物

2026年10月のニュースで出てくるPHPは、プログラミング言語のPHPです。検索の候補には「PHP円」「PHP通貨」「PHP松下幸之助」も並んでいるので、混ざりやすいものを表にしました。

「PHP」何かニュースの脆弱性と関係
プログラミング言語のPHPサーバーでWebページを作る言語(この記事)ある
フィリピン・ペソフィリピンの通貨。国際的な通貨の記号(ISO 4217)が「PHP」ない
PHP研究所1946年に松下幸之助さんが作った出版社。名前は「Peace and Happiness through Prosperity(繁栄によって平和と幸福を)」からない

為替のサイトで「PHP/JPY」と出ていたら、それはペソと円の値段です。

PHPでできること・JavaScriptとの違い

PHPが得意なのは、見る人ごとに中身が変わるページを、サーバーの上で作ることです。ログイン、問い合わせフォーム、ネットショップの買い物かご、ブログの記事一覧などがそうです。

ブラウザの中で動くJavaScriptとの一番の違いは、動く場所です。公式マニュアルは、PHPはコードがサーバーで実行され、その結果がクライアント(見る人のブラウザ)に送られる、と説明しています。見る人のブラウザに届くのは結果のHTMLだけで、PHPのコードそのものは届きません。

PHPブラウザのJavaScript
動く場所サーバー見る人のブラウザ
見る人に届く物作られたHTML(コードは届かない)コードそのもの
得意なことデータベースを読む・ページを組み立てる・フォームを受け取る画面の動き・ボタンを押したときの反応

PHPが使われているサイト:WordPressとWikipedia

PHPは、世界のWebサイトで一番よく使われているサーバー側の言語です。W3Techsの調べ(2026年10月22日の表示)では、サーバー側の言語が分かるサイトのうち69.3%がPHPでした。2位のJavaScriptは8.1%で、大きく差があります。

PHPで作られている有名なソフトが、ブログやホームページを作るWordPressです。W3Techsでは、全サイトの39.6%がWordPressで動いています。WordPressで作ったサイトは、それだけでPHPを使っているということです。

ほかに、Wikipediaを動かしているソフト「MediaWiki」もPHPで書かれています。

スマホやアプリ(iPhone・LINE)は関係ある?

スマホ(iPhone・Android)の中でPHPが動いているわけではないので、スマホで何かを更新する必要はありません。PHPはサーバーで動く言語で、スマホに届くのは作られた結果だけです。

アプリやサービスの裏側のサーバーでPHPが使われていることはありますが、外からは分かりません。2026年10月21日の夜に多くのサービスが止まったのも、運営する会社が自分のサーバーを守るためで、読売テレビの報道は「実際に不正アクセスを受けたことや、個人情報が流出したことを意味するわけではありません」と伝えています。

PHPの最新バージョンとサポート期限一覧(2026年10月23日時点)

いまサポートされているのは8.2・8.3・8.4・8.5の4つで、最新は8.5.12です。PHPの公式サイトによると、それぞれのバージョンは出てから2年間は全面的に直され(積極サポート)、その後の2年間は重大なセキュリティの問題だけが直されます(セキュリティサポート)。

バージョン出た日積極サポートの終わりセキュリティサポートの終わり最新(10/21)
8.52025年11月20日2027年12月31日2029年12月31日8.5.12
8.42024年11月21日2026年12月31日2028年12月31日8.4.27
8.32023年11月23日2025年12月31日(終了)2027年12月31日8.3.36
8.22022年12月8日2024年12月31日(終了)2026年12月31日8.2.35

8.2は、あと2か月余りの2026年12月31日でサポートが終わります。8.2を使っているサイトは、年内に8.3以上へ上げる準備をしておくと安心です。

サポートが終わったバージョンは、公式が新しい欠陥を直しません。PHPの公式サイトは、サポートが終わったバージョンを使っている人に「できるだけ早く」新しいバージョンへ上げるよう求めています。

サポートが終わったバージョン終わった日最後のバージョン
8.12025年12月31日8.1.34
8.02023年11月26日8.0.30
7.42022年11月28日7.4.33
7.32021年12月6日7.3.33
7.22020年11月30日7.2.34
7.02019年1月10日7.0.33
5.62018年12月31日5.6.40

PHPのサイトの約半分は、サポートが終わったバージョンのまま

W3Techsの数字から計算すると、PHPを使うサイトの約48%は、サポートが終わったバージョン(8.1以前)で動いています。PHPを使うサイトのうち、7系が26.9%、5系が7.7%、4系が0.1%です。8系(65.3%)の中でも、8.1が15.2%、8.0が5.8%を占めます。

計算は僕がしたもので、W3Techsが「約48%」と書いているわけではありません(65.3%×(15.2%+5.8%)+26.9%+7.7%+0.1%)。古いバージョンが多く残っていること自体が、脆弱性が見つかったときに騒ぎが大きくなる理由の1つです。

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自分のサイトのPHPのバージョンの確かめ方

WordPressなら「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」で、PHPのバージョンが見られます。WordPressの公式ブログも、この場所で確かめられると案内しています。

  1. WordPressの管理画面にログインする
  2. 左のメニューの「ツール」→「サイトヘルス」を開く
  3. 上のタブの「情報」を押す
  4. 「サーバー」を開き、「PHPバージョン」の行を見る

WordPressを使っていないサイトは、契約しているサーバー会社の管理画面に表示されます(下の「上げる手順」の各社の画面と同じ場所です)。

僕のサイトで確かめたこと

このサイト(naokiti3.com)はエックスサーバーで動いていて、サイトヘルスで見るとPHP 8.3.36でした(2026年10月22日6時11分)。8月14日に記録したときは8.3.30だったので、僕が何もしないうちに、サーバー会社が修正したバージョンへ上げていたことになります。

外からバージョンが分かるかも試しました。このサイトの応答の見出し(HTTPヘッダー)には「server: nginx」としか出ておらず、PHPのバージョンは見えませんでした(2026年10月23日)。外から当てようとするより、管理画面を開くのが確実です。

バージョンの番号だけでは、直っているか分からないことがある

サーバー会社が、バージョンの番号はそのままで修正だけを当てることもあります。mixhostは、2026年10月のPHPの脆弱性の修正について「PHPのバージョン番号を変更せずに適用されるもの」と案内していました。

番号が古いままでも、サーバー会社のお知らせで「修正済み」とあれば直っている場合があります。番号とあわせて、サーバー会社のお知らせも見てください。

どのバージョンを選ぶ?WordPressは8.3以上がおすすめ

WordPressの公式の推奨は「PHP 8.3以上」です。WordPressの必須要件のページに「PHPバージョン 8.3 以上」と書かれています。

7.4以上でも動くとも書かれていますが、同じページで、それらのバージョンは公式のサポートが終わっていると断っています。サポートの残りの長さで見ると、選び方は次のとおりです。

バージョンセキュリティサポートの終わり向いている人
8.52029年12月31日長く使いたい人。エックスサーバーは「Wordpress推奨バージョン」と表示
8.42028年12月31日8.5でテーマやプラグインが動かないとき
8.32027年12月31日WordPressの推奨の最低ライン
8.22026年12月31日年内に上げる前提で、つなぎとして

新しいバージョンほど長く使えますが、しばらく更新されていないテーマやプラグインは、新しいPHPでエラーを出すことがあります。上げたあとは、サイトの表示と投稿を必ず確かめてください。

PHPのバージョンを上げる手順(レンタルサーバー別)

レンタルサーバーなら、たいていは管理画面でドメインごとにPHPのバージョンを選び直すだけです。切り替える前に、WordPressのバックアップを残し、テーマとプラグインを最新にしておきます。ロリポップのマニュアルも、テーマやプラグインが変更後のバージョンに対応しているかを確かめてから更新するよう書いています。

エックスサーバー

  1. サーバーパネルにログインして「PHP Ver.切替」を押す
  2. 変更したいドメインの右のペンのアイコンを押す
  3. 「変更後のバージョン」でバージョンを選び、「設定する」を押す

エックスサーバーのマニュアルでは、8.5.xに「Wordpress推奨バージョンです」、8.2.x以下に「旧バージョンです」と書かれています。

さくらのレンタルサーバ

  1. サーバーコントロールパネルにログインする
  2. 「スクリプト設定」の「言語バージョン設定」を押す
  3. バージョンを選んで変更する

さくらのマニュアルは、変更後にサイトの表示や投稿の動作を確かめ、不具合があれば古いバージョンを選び直すよう案内しています。契約した時期によって、最初に設定されているバージョンが違います。

ロリポップ!

  1. ユーザー専用ページの「サーバーの管理・設定」→「PHP設定」を押す
  2. 変更するドメインのバージョンを選び、「変更」を押す

反映まで5〜10分ほどかかります。PHP 7.1より前のバージョンから上げると、元のバージョンに戻せません。

ConoHa WING

  1. コントロールパネルにログインし、上のメニューの「WING」を押す
  2. 左のメニューの「サイト管理」→「サイト設定」を開く
  3. 上のタブの「応用設定」→「PHP設定」を開く
  4. 「PHPバージョン」の右の鉛筆のアイコン(編集)を押し、バージョンを選んで「保存」を押す

ドメインごとにバージョンを変えられ、ドメインごとの設定が優先されます。

PHPの脆弱性:2026年10月の「php2shell」

2026年10月21日、PHPに外部からサーバーを乗っ取れるおそれのある重大な脆弱性が2件見つかり、修正したバージョン(8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35)が出ました。公開前に情報が漏れたため、銀行やゲーム、ネットショップなど多くのサービスが予防のために一時停止しました。

PHPの公式サイトは、この2件を「unauthenticated remote code execution」(ログインなしでの遠隔からのコードの実行)につながりうると説明しています。WordPressのブログを持っている人は、上の手順でPHPのバージョンを確かめ、サーバー会社のお知らせも見てください。

何が起きたのか、原因、サーバー各社の対応の流れは、別の記事に時刻つきでまとめています。

よくある質問

PHPの読み方は?

「ピー・エイチ・ピー」と読みます。「PHP: Hypertext Preprocessor」の略です。

スマホやパソコンでPHPを更新する必要はある?

ありません。PHPはサーバーで動く言語なので、更新するのはサイトを動かしている側です。

PHPのサポートが切れるとどうなる?

新しく見つかった欠陥が、公式に直されなくなります。サイトがすぐ止まるわけではありませんが、脆弱性が見つかっても穴が開いたままになるおそれがあります。

WordPressはどのPHPのバージョンで使えばいい?

8.3以上です。WordPressの公式の推奨で、長く使うなら8.5か8.4が向いています。

PHPのバージョンを上げるとサイトが壊れる?

更新の止まったテーマやプラグインが、エラーを出すことはあります。作業の前にバックアップを残し、切り替えたら表示と投稿を確かめます。動かなければ元のバージョンに戻します(ロリポップで7.1より前から上げたときは戻せません)。

WordPressの管理画面で困ったときの記事

WordPressの投稿一覧で、タイトルが縦書きのように細くなったときの直し方も書いています。

更新履歴

  • 2026年10月23日:公開(情報は10月23日時点)

出典

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